LED照明の廃棄にあたり/処理方法のご提案
LED照明が当たり前となり、2024年4月時点では普及率59.8%(日本照明工業会)とされています。さらに、水銀に関する水俣条約の決定により、2027年末には直管蛍光灯の製造及び輸出入が禁止されることとなりました。これにより、今後蛍光灯の流通量は大幅に減少し、LED照明への置き換えが一層加速するものと予想されます。
LED照明への移行が進む一方で、その廃棄に関する課題も浮上してまいりました。LED照明の寿命は、一般的に蛍光灯の4~5倍にあたる約10年が目安とされており、本格的な普及が始まった2012年頃から考えると、初期に導入された製品群が順次更新時期を迎える時期に差し掛かっています。これに伴い、LED照明の廃棄物量は今後増大していくことが確実視されており、適切な処理方法の確立が急務となっています。
LED照明の構成とリサイクルの意義
LED照明は、主に発光ダイオード(LEDチップ)、電子基板、放熱部品(アルミニウム等)、そしてプラスチックやガラス製のカバーといった部材から構成されています。特に発光ダイオード部分には、ガリウム(Ga)やインジウム(In)といった希少なレアメタルが含まれており、これらは戦略的にも重要な資源です。これらの資源を適切に回収し再利用することは、資源の有効活用と持続可能な社会の実現に不可欠と言えるでしょう。
しかしながら、一度のLED更新で発生する廃棄照明器具は膨大な量に上る一方、個々の器具は比較的小さく、また排出時期も集中的でないため、効率的かつ高精度な分別・リサイクル技術の確立が課題となっています。
ACPグループでは、お客様のご要望に合わせて、コスト優先とリサイクル率優先の2つの処理方法をご提案させていただいています。コスト優先の処理方法では分別・破砕処理をしたのち、他廃棄物と合わせて最適な処理方法を選びリサイクルを進めてまいります。一方、リサイクル率優先の処理方法の場合、弊社はご提案から収集運搬を担い、パートナー処理先にて処理されることになります。その処分場では、レアメタルの回収も含めた包括的なリサイクルを行っています。
未来を見据えたLED照明のリサイクル
太陽光パネルと同様に、LED照明も省エネルギー化・脱炭素化を推進する現代社会が生んだ革新的な製品です。その廃棄物処理に関しては、今後ますます量が増加することから、社会全体でリサイクルのあり方を議論し、より高度な技術や仕組みを構築していく必要があります。
LED照明には、前述の通り価値ある資源が多く含まれています。自社がどのようなリサイクル方法を選択するのか、そしてそれが地球環境にどのように貢献するのかを考えることは、企業の社会的責任を果たす上で重要な視点となります。蛍光灯や水銀灯と異なり、LED照明には水銀等の特定有害物質が含まれていないため、処理の厳格性は相対的に低いものの、だからこそ積極的な資源回収と適正なリサイクルが望まれます。

皆様の事業所でも今後、LED照明の更新に伴う廃棄が増加することが予想されます。従来の蛍光灯や水銀灯が水銀という特定有害物質を含んでいたため、その処理には厳格な管理が求められました。これに対し、LED照明はこれらの物質を含まないため、処理の自由度は相対的に高まっています。
一方で、LED照明には価値の高いレアメタルなどの資源が用いられていることも見逃せない事実です。これらの貴重な資源を回収し、有効活用する先進的なリサイクル手法も実用化されております。どのような処理方法が貴社にとって最適か、経済性だけでなく、環境への配慮や資源の有効活用といった観点からも、是非この機会にご検討いただければ幸いです。