脱炭素社会の実現に向けて ~廃棄物処理を通じた貢献~
近年の異常気象や自然災害の増加は、地球温暖化の影響を私たちに強く意識させています。2024年11月に開催されたCOP29の直前、EUの気象機関から2024年の世界の平均気温が、産業革命前と比べて初めて「1.5℃」以上上昇する見通しという報告もあり、気候変動による深刻な影響を回避するため、世界の脱炭素化をさらに加速させる必要があることが改めて認識されました。
このような状況の中、当社は廃棄物処理事業者として、どのような貢献ができるのかを真剣に考え、お客様との対話を重視しながら、脱炭素化に向けた取り組みを進めてまいります。
廃棄物処理におけるGHG排出量への考察
廃棄物処理は、企業活動における温室効果ガス(GHG)排出量の算定・報告の枠組みである「スコープ3」のカテゴリー5に該当し、GHG排出量算定が求められる部分です。ここでは、廃棄物処理におけるGHG排出量に関する考え方について解説します。
環境省が公表している「排出原単位データベースVer.2.6」によると、廃棄物の処理においては、品目別にリサイクル・焼却・埋立のいずれが脱炭素に資するかは異なってきます。
例えば、以下の2品目を例に見てみましょう。
廃プラスチック類 1tあたりの処理について発生するGHG
焼却:2.6833t-CO2
埋立:0.0851t-CO2
リサイクル:0.1490t-CO2
紙くず 1tあたりの処理について発生するGHG
焼却:0.0837t-CO2
埋立:2.5127t-CO2
リサイクル:0.0210t-CO2
(リサイクルについては、特定の手法に定義されていることを留意)
このように、品目によって最適な処理方法は異なり、場合によっては「安価な処理=環境負荷が大きい」ということもあり得ます。
当社がご提供できること
廃棄物処理における脱炭素化で最も重要なのは、排出量を減らすこと(発生抑制)です。そして、次に重要なのは、GHG排出量の少ない処理方法を選択することです。当社では、お客様の脱炭素化を支援するため、以下のサービスを提供しています。
発生抑制のサポート
お客様と共に品目の分別を検討し、廃棄物として扱わずにリサイクルできるものを明確化します。必要に応じて、リサイクル方法の提案や導入支援も行います。
最適な処理方法の選定
価格、処理方法、GHG排出量などを考慮し、お客様にとって最適な処理方法を提案します。お客様の事業内容や廃棄物の種類、排出量などを把握した上で、最適な処理方法を検討します。
脱炭素に関して、日々刻々と取組みのスピードが速まっているように感じます。当社としても、情報を集めると同時に対話を通して、皆様の脱炭素活動に貢献していきたいと思っております。